水の未来を変える

水の未来を変える

すべての人にとって持続可能な未来を育もう。水のコストを最小限に抑え、無駄を省き、汚染を防ぐ。これは、廃水の100%リサイクル、ネットゼロのフットプリント、再生可能エネルギー、海水マイニングなどを意味する。水は本来のあるべき場所、つまり自然界にとどめておくべきである。

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  • Gavin van Tonder

    Gavin van Tonder

    の水部門責任者

    水の未来を変える
    EOMでは、水はあらゆる分野と相互に関わっています。水がなければ、あるいは廃水が排出されなければ、ホテル業務は成立しません。水がなければセメントさえも混ぜられません。

    Gavin van Tonderへのインタビュー

    1. NEOMの壮大な展望において、水が占める位置付けに対する計画と、当プロジェクトを成功に導くためにそれがどのように重要であるか教えてください。?
      それは、国連のどの持続可能な開発目標(SDGs)が水に関連付けられていないかを問うようなものです。17 目標のうち、実質的に低エネルギー以外のすべてに水は関係していますが、我々はそれでも低エネルギーのためには水のコストを抑えなければなりません。NEOMでは、水はあらゆる分野と相互に関わっています。水がなければ、あるいは廃水が排出されなければ、ホテル業務は成立しません。水がなければセメントさえも混ぜられません。水の観点から、実際に最も重要なのは、低コストであることと、建築の初期段階で利用可能であるということです。そして、最終段階において、低コストで、入手可能であり持続可能な開発目標に見合うことです。つまり、加圧された飲用に適する水をすべての建物に導入し、処理済みの廃水を抽出し、すべての建物からリサイクルできることを意味します。低コスト、入手可能、および水効率を達成することで、循環型経済が引き出せるのです。可能な限り水を再利用することで、淡水化する量を制限できます。
    2. あなたのチームはどのような世界初の取り組み を行っているのですか?
      これは、再生可能エネルギーにより淡水化を初めて完全に実施するということです。しかも、廃出物を海に一切流さずに行えるので、液体吐出がゼロであることを意味します。完全なブライン処理を初めて実施し、水を100%リサイクルするだけでなく、バイオソリッドの処理も行います。当社では、廃棄物処理施設の固形物質を肥料に変換する予定ですので、これは、液体吐出ゼロ、固体排出ゼロを意味します。バイオームを変換し、そのバイオームからエネルギーを生成します。そうすることで自給自足型エネルギーの生成に貢献できます。完全循環型経済を念頭に置き、効果的な手法で水を効率的に捉えるプロセス。このように始めから終りまでのプロセスを備えることは、世界初の試みとなります。またこれは、湧き水と等しい品質のフッ化マグネシウムを含む鉱水が、すべての建物や家屋に供給される世界初の試みでもあります。NEOMにおけるボトルウォーターの必要性を排除するために行うものです。我々のスマートネットワークには、水流、水量、温度、水質や圧力管理ゾーンも組み込まれます。これまでも世界各地でいくつかのテストが実施されていましたが、このように世界的規模で導入したところはありませんでした。
    3. NEOMはインダストリー4.0を目指しています。それはどういう意味なのか、どのように可能なのか説明していただけますか?
      ネットゼロとは、淡水化した水を海に戻さない、つまり、廃液排出ゼロであることを意味します。また、ネットゼロとは、CO2を環境にまったく放出しないことを意味します。水の汲み上げ、水の処理、淡水化、廃水処理のいずれにせよ、すべて当社が完全に再生可能エネルギーで稼動しているため可能になることです。それらのすべてがネットゼロのエネルギーで行われています。我々は、大気中のCO2をゼロにすることを目指しており、あらゆる再生可能エネルギーを活用したいと考えています。ネットゼロとは、すべての廃水を処理して、それを一切環境に戻さないことです。固形物を利用し製品化を図ることで、固形廃棄物をゼロにします。また、海水の製品化についても検討しています。海水から水を取り出し、そのCO2を凝固させることができれば、環境に貢献できます。ネットゼロとは、流出をゼロにするという意味でもあります。現在、シンガポール、香港、ジェッダ、ロンドン、パリ、ニューヨークなど世界各地が抱えている最大の問題のひとつは、雨が降ると、雨水の流れにより、路上にある車の油分とともに木や庭の農薬などがすべて流出してしまうことです。今日、グレートバリアリーフが死滅しかけているのは、オーストラリア東海岸に膨大なサトウキビ畑があり、当地に農薬が使用されているためです。雨が降ると、その農薬が川や海に流れ込みます。つまり、農薬がグレートバリアリーフを破壊してしまうのです。それが分かってきたのは、ここ10年くらいのことです。したがって、ネットゼロ流出とは、物質が海に流れ出て環境に影響を与えないようにすることでもあります。
    4. これらすべてをNEOMはどう実現しようとしているのですか?それは単に超先進技術と地球上の最も優れた頭脳を結集させる、という意味なのでしょうか?
      私は長い間、この業界に身を置いていますが、技術を導入しないハイテク企業に失望しています。これにはさまざまな理由がありますが、アフリカ、インド、アジアの一部などでは、主に政治資金がその理由として挙げられます。例えば、競争がない場合、水道事業を改善するインセンティブは何でしょうか?NEOMでは手元に資金があるため、この問題はなくなりました。もう一つの利点として、現時点では政治家がいないため政治的な干渉を受けず、規制も存在していないことがあります。我々は独自の規制を定めています。世界のほとんどの都市では、水のインフラが機能しなくなったり老朽化したりしています。また、老朽化が原因で水の30~60%が失われています。我々のシステムはリニューアル中です。そして、スマートネットワークの整備も予定しています。そうすれば、水の喪失は3%以下に抑えられます。多くの水道事業者は、従業員数や経験に限りがあり、それゆえに変革を実行する能力がなく、結果として本質的に保守的な性質となっています。その点、我々は3,000人ではなく200人でチームを構成し、すべてを外部調達するという非常に異なったやり方を採用しています。例えば、現場業務については、自社技術の活用方法を把握している業者に委託します。そして、家屋での漏出に対応するエッジコンピューティングの活用など、コグニティブシティ内部であらゆるデータを活用します。現存するすべての技術を取り込み、まだ存在しない技術に関しては自ら開発していきます。我々はこのような技術を試し、検証し、商品化します。文化によっては廃水処理場の水を再利用することを汚いと考えるでしょう。言うまでもなく、これらの施設から出る水を飲料水には利用しません。我々はそれを造園用に使用する予定ですが、そこから出てくる水の品質は基本的に飲めるレベルです。これはすでに世界で起きていることなので、何か新しいものを発明しているわけではありません。しかしながら、我々は多数の人がやらないような多くの技術を組み合わせています。
    5. ブライン処理技術はどのように作用し、それにより何が達成できるのですか?
      淡水化のメリットは、海水に含まれる化学物質の量を増やすことで海水を濃縮することにあります。そうすることで、同等の水量を倍増する、あるいはいくつかの事例において、我々がすでに実施していることですが、海水中の化学物質やミネラルの濃度を3倍にするのです。確認する際、基本的にまず最初は塩です。そして、我々が必要としているのは混じりけのない塩です。塩については、エバポレーター装置を駆使して商業ベースで行うことになるでしょう。水酸化ナトリウムや石膏のような他の元素は、NEOMに産業的な利益をもたらします。水酸化ナトリウムはガラス製造に使用されています。想像に難くないと思いますが、ここで作っているものは多くのガラスを必要としますので、今後は、ガラス工場を保有する予定です。
    6. 再生可能エネルギーを利用した淡水化システムにより、どのような新しい成長の機会がもたらされるのでしょうか?
      我々が取り組もうとしているのは、太陽電池板を駆使して高効率の逆浸透法を活用することで、NEOMの島での実施を予定しています。これに成功できたら、我々は水不足に悩むどの国の沿岸でもそれを実行できます。つまり、自律的な淡水化を実現でき、エネルギーを必要としない製塩施設までも作ることができます。我々が「大地、河川、海のどれからも、化石燃料を使用せずに水を抽出して世界的な水危機の解決を支援しています」と堂々と言えるなら、それは大きな一歩といえるでしょう。
    7. NEOMの革新的な水の構想が他の国々で導入されることを期待しますか?
      NEOMにおいて地下水を汲み上げないという考えは、概して水を地表に戻さないということです。今から約100年前、モーセの井戸には水が溢れていました。現在では、地下水位が下がり切って水がなくなり、空っぽになっています。NEOM内で地下から汲み出されている水量を見ると、65本または80本の井戸全体で1日50,000立方メートルほどありますが、まだよく分かっていない100本ほどの井戸もあります。そのため、将来的には、我々の取り組みによって、地下水が地表まで汲み上げられることになります。草木が地下水に触れると、いたるところで草が生え始め、木が緑になっていきますが、これは、地表水位に到達できるようになったためであり、それは過去50年間できなかったことです。我々が取り組みたいのは、水の抽出を中止することで緑の環境を取り戻すことです。当然、造園潅水として廃水を再利用することで達成できます。すでにカリフォルニアから「干ばつに見舞われていて、ブライン処理なしで淡水化に取り組んでいる皆さんのことを知って連絡しています」という問い合わせの電話を受けています。彼らにとっては実行するかどうかの問題でなく、いつやるかの問題なのです。
    8. 水に関する目標と目的について、どのようなタイムラインを想定していますか?
      最初のより高い回収率の淡水化施設は9月に入札にかけられますので、2022年の第1四半期末までに建設に着工したいと考えています。これにより、より簡単に、より低いエネルギーで化学物質の処理を開始することができるようになります。ブライン処理施設に関しては、今年中にテストを行います。我々は実行可能性調査の完了後、実証施設を建設して、すべての統合された技術を実証します。そして、技術の使用方法に関するさまざまな運用方法をテストして、可能な限り低いエネルギーを使用するようにします。その施設は、今年2021年に着工します。来年の半ばまでには、それを実証できているでしょう。これを実証している間に、パートナーや投資家を募り、実際に現地で我々の活動を見ていただき、今後、合弁事業として取り組むかを決めていただきます。また、鉱水については、最初の導入は当地の多くの従業員向けのNEOMコミュニティの延長線上として実施される見込みです。目標は、従業員の各家庭に鉱水飲料水を置くことです。
    9. 後世に残したいレガシーは何ですか?
      私は、水道事業を非常に効率的かつ効果的な事業として運営できること、再生可能エネルギーから非常に低コストの水が生成できることを示したいと考えています。料金体系や水に課せられる税金に対する懸念は、その議論から外したいと思います。鉱物や化学物質を利用したブライン処理、特に廃水処理場や水の再利用によって、それが可能になると思います。結局、これが成功すれば、世界的にきれいな水は不足しないことになります。不足している場合は、非常に低コストの仕組みを使用して海から採取できます。私は、世界中のどこでも、非常に効率的で効果的、かつ低コストの方法で実現できることを証明したいのです。
    10. NEOMについて人々が抱いている一般的な誤解はありますか?
      我々が到達したい場所に行きつけるかに対する世間の信頼が不足しており、いくつかのビジョンは達成するには大きすぎると思われています。しかし、NEOM内部の人々からは十分な信頼が得られており、極めて意欲的で前向きなチームがあります。彼らはこの夢を実現させたいと思い、すべてを賭けています。もし私のチームの中で、すべきことを先延ばしにしたり、ある種の不信感を持っている人がいたりするとしたら、その人はどこか別の職場に行かなければなりません。なぜなら、これを成し遂げるには、100%の力で取り組む以外にないからです。壮大なものが生まれようとしています。NEOMの中では初めて、2つの大きな貯水池の建設を開始しました。そして、これらが成功していくのを見て、人々は気づき始めるでしょう。
    11. 現在、NEOMコミュニティにおける日常生活はどのような感じですか?
      そうですね。私は妻と犬と一緒にここで生活しています。最初はとても小さく、ベースキャンプのようなものでしたが、やがて本当のコミュニティへと発展していきました
    12. 背景として、ご自身のプロフィールやキャリアについてお聞かせください。?
      私は13カ国で生活し、世界の主要な水道事業者と仕事をしてきました。長い間、水関連の事業に携わってきましたが、NEOM以前は、人々の保守的な性格や緩慢な活動、さらには水関連の資金不足や人々の水への関心の低さに非常に不満を感じていました。人が水について気に留めるのは、蛇口をひねって水が出てこないときだけです。それさえも水を気に留めていないことの表れであり、気にするのは自分が水を手に入れられないという事実なのです。ですから、今後はカスタマーエンゲージメントが重要になります。
    13. NEOMの事業としての強みは明確ですが、当地サウジアラビアのプロジェクトに参画する決め手となったのは何でしたか?
      これは世界初となることを達成する機会でした。違う形で公益事業を構築し、管理し、運営する方法を示す機会となりました。また、世界と水道業界に変化をもたらしたいと本気で考えている、同じ志を持つ人たちのチームを作る機会でした。あまりにも良い機会だったので、断ることなんてできませんでした。唯一の問題は、自分の年齢からいって、最後まで見届けることができないことです。そのことを毎日のように憂慮していますよ。ただ、5年後には、ここでブライン処理や淡水化が完成しているところを目の当たりにしているでしょうね。しかし、全面的な完成を見ることはできないでしょう。ただし、私のチームには今後40年間当地で生活を続ける優秀な若いサウジアラビア人たちがいます。彼らこそ、ここで行われたことを世界に発信して行く人々なのです。

我々の目標と目的

  • 01

    再生可能エネルギー駆動の淡水化と完全統合式の資源回収型ブライン処理 において世界の頂点に立つ

    NEOMは、淡水化とブライン処理の施設を統合し、持続可能なカーボンニュートラル技術でそれらを駆動させ、水インフラを新時代に向けて牽引します。完全統合式の資源回収型海水処理(FIRRST)に専念し、この規模では世界初の紅海のエコシステムを保護します。

  • 02

    高水準の水をNEOM全域に供給するスマートネットワークを設計し導入する

    NEOMは、再生可能エネルギー駆動のスマートウォーターシステムを構築し、廃水を除去しながら高品質の飲料水と再利用水をネットワーク経由で供給します。スマートメーター計量と潅水、漏出検知や水品質モニターはリアルタイムで管理します。

  • 03

    再利用のために一滴も残さず、水のリサイクルと管理責任を担う先駆けとなる

    NEOMの優れた伝送、ストレージ、ネットワーク監視、100%の廃水・雨水再利用は、水保全に不可欠です。化学物質、栄養物、ミネラルおよび多数の資源は、工業および農業用に最新式の水再利用施設で採取されます。

  • 04

    将来の水問題の解決策を研究開発するためにグローバルイノベーションハブを構築する

    NEOMのイノベーションハブには水利用と管理に専念するセンターオブエクセレンスを設置して、世界のトップ頭脳に魅力をアピールします。技術、知識と専門性を国外に広めることで、NEOMのWater Solution Companyが水技術で世界のトップになります。

私たちの会社

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NEOM ENERGY & WATERは、自然と共生することを基本理念としています。当社は、周辺の環境を活用して、持続可能な循環を創出し、成長性の高い強靭な経済を支えるためのリソースを提供しています。

当社のビジョンは、それぞれの分野の先駆者である世界最高の頭脳によって実現されており、また最新のテクノロジーやイノベーションも活用しています。世界が直面している課題を解決するためには、地球規模でのつながりが必要です。だからこそ当社ではこの旅を協力して進めているのです。当社は、エネルギー、水素、水産業の世界的リーダーたちと協力して、イノベーションを共に推進しようとしています。

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Energy sector logo

チームについて

水セクターは、世界を先導するエキスパートを結集させ、より持続可能な将来を構築し、画期的な技術でこの有限の天然資源の保全に貢献します。

  • Gavin Van Tonder

    Gavin van Tonder

    NEOM水部門責任者

    水業界における30年の経験を経て、Gavin van Tonder氏はItron、SchlumbergerおよびSasolなどの主要組織の幹部を経験しました。挑戦的なマイルストーンのかじ取りにおいて高度なスキルを発揮し、四大陸、11か国をまたぐ真にグローバルな経歴の持ち主です。

  • Greg Welch

    Greg Welch

    事業開発責任者

    Greg Welchは、その20年にわたるキャリアにおいて、水、エネルギー、インフラセクターを横断する無数の大型プロジェクトに3大陸で関与。米国、サウジアラビア、バーレーン、およびタイでも勤務経験がある。

  • Emma Dannemiller

    Emma Dannemiller

    持続可能性・リスク責任者

    Emma Dannemillerは、前職にて大規模な液化天然ガスプロジェクトを経験。建設および持続可能な開発を推進するプログラムマネージャーとして30年の経験を持ち、NEOMの循環型水インフラを実施するための課題に取り組む。

  • Robert Garner

    Robert Garner

    水供給責任者

    Robert Garnerは、水プロジェクトの経験を持つ公認機械技師であり、環境を最優先するNEOMの水セクターを支援する適格な役割を担う。カーボンニュートラル淡水化プロセス、排出ゼロ塩水管理および鉱物生産システムの開発を牽引している。

  • David Mitchell

    David Mitchell

    送水・配水責任者

    その30年のキャリアにおいて、David Mitchellは、ダム、貯水池から導水および処理まで、水プロジェクトの企画、設計、建設を経験。NEOMの送水、貯水、配水を先導。

  • Nicholas Burnett

    Nicholas Burnett

    廃水・リサイクル責任者

    Nicholas Burnettは、都市下水処理および工業廃水処理の設計と管理に20年以上の経験を持つ公認化学エンジニア。公益事業、コンサルタント業、および建設事業に世界中で関与してきた。

  • Joao Pitta

    Joao Pitta

    水管理責任者

    Joao Pittaは、公認環境エンジニアであり、その20年のキャリアにおいてポルトガル、モザンビーク、スペイン、およびブラジルにおいてチームを先導。都市用水と工業用水および廃水管理に関するその経験は、NEOMにおけるチャレンジングな役割に適格である。

  • Carlos Garcia

    Carlos Garcia

    企画、規制 、資源責任者

    約25年にわたる水道事業への関与を通して、Carlos Garciaは、世界中で複雑な多国籍企業の管理を経験。その手腕は、欧州、アジア太平洋地域、および南北アメリカにおいて企業に有益かつ持続可能な成長をもたらしてきた。